盆栽マンション日記

都内マンション在住のタカヒロです。苦戦しながらも楽しい盆栽ライフ5年目になりました。

盆栽展示は省略の世界

日曜は東京支部の例会でした。

盆栽歴30、40年の大ベテランさんによる

 

盆栽展示は省略の世界、"説明書"をつけるのは良くない

 

という趣旨のお話しがすごく勉強になり、

と同時にぼくの悩みを大きくします(汗)

 

ぼくが去年の秋の小品盆栽フェスティバルで感じた「高級懐石」という印象は

この省略の精神からきてるのかなあと。

 

抽象的で、わかりにくい。

素材の味を生かし、やたらと手を加えるようなことはしない。

しかも1つ1つが小鉢に入っていてガッツリ食べた気分を味わえない。

 

その道を学んだ者にしかわからないとまでは言わないけど、

「小さい、かわいい」だけで終わってしまって深くその世界を理解できない。

 

言ってみれば、肝心の味よりも高級料亭の雰囲気にだまされて

なんか良いものを食べた気になるような・・うまく言えないですがそんな感覚だったわけです。

 

だいたい、山の上にモミジ、山のふもとに松が生えていても、

何も違和感を感じない人がほとんどでしょ?いまの時代。

 

そんなことより、もっと人を感動させる方法、

感動させやすいやり方が他にあるんじゃないんだろうか?

 

そんなことも思ったりしました。

 

が、しかし!

 

この「省略」というキーワードでふと浮かんだのが禅の世界です。

 

禅というと数年前のぼくにとっては、

なんだか古めかしくて小難しいこと言ってるだけの

マイナスイメージのものでした。

 

しかしご存じのように、あのスティーブ・ジョブスiPhoneによって

一気にスタイリッシュなイメージへと変わったあのZenを思い浮かべたのです。

 

考えてみればiPhoneのデザインもかなり省略の精神を見ることができます。

 

もし、もしですよ。

iPhoneのボタンの下に、

でかでかとこんな説明がついていたらどうでしょう?

 

f:id:takahiro91:20130121122717j:plain

 

こんな感じに。

 

一気に興醒めですよねw

 

まあダサいことww

 

 

・・・いやでも待てよと。

もしかしたら、パソコンやスマホに不慣れなお年寄りのかたにとっては、

非常に親切でありがたいデザインになるんじゃないかと思ったわけです。

 

ああ、なるほど。

そのときぼくは少しわかったような気がしました。

 

ぼくが盆栽の展示に感じていたあまりにも抽象的なもの、不親切感は、

お年寄がパソコンに感じるそれと同じ類のものではないかと。

 

iPhoneの"不親切な"デザインは、

長年パソコンなどに慣れ親しんだぼくからすれば、

スタイリッシュでクールなもの。

ゴテゴテしたデザインと分厚い説明書がついてくるガラケーに嫌気が差してたぼくは飛びつきました。

 

一方でぼくは自然をよく眺めたこともないし、

昔田舎のばあちゃんの家に泊まりに行って眺めた思い出の景色

なんてものもないのです。

 

樹を使って再現したい原風景を持たないぼくが、

なぜ盆栽が好きなのか自分でもよくわからなくなるときがありますw

 

そんなぼくが盆栽展示をもっとわかりやすくしたいと思うのは、

ベテランさんから見ればiPhone胴体にボタンの名前を刻むことぐらい

愚かな行為なのかもしれません。

 

 

【追伸】

21日の深夜から22日朝はメンテナンスのため

ブログを閲覧できなくなります~

 

 

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