ハダニ対策研究
なんだか9月に入ってだいぶ涼しくなってきましたね。
久々に雨も降ったし、これからハダニの被害も少なくなると思いますが、
このブログに検索からやってくる困ってる人のために調べたことを整理しておきます。
自分用の備忘録ということでもあります。
本当かどうか不明な部分もありますので
その点はご了承ください。
ほとんどの人には必要ない情報かもしれませんが、
いつかハダニの被害にあうようなことがあれば、
ココを思い出してまた来てみてください。
◆ハダニ
体長は0.5ミリとすごく小さい。
見た目には点にしか見えない。
昆虫ではなくクモの仲間(これ重要!)
高温乾燥を好む
葉の裏にくっついて葉から養分を吸う。
経験談:ハダニの色は赤がふつう。でもあまりに小さいせいか黒く見えた。
経験談:上枝の葉より下枝の葉にいる
経験談:色が抜け切った葉の裏にはすでにいない
◆ハダニの症状
葉の色が薄くなる、色が抜けてくる
葉に白っぽい斑点ができる
緑の葉が黄色くなる
葉の表面にクモの糸のような、ホコリのようなものがついている
最終的には養分吸われた葉がポロッと落ちる
◆ハダニ対策
1.葉水
水に弱いので葉裏に霧吹きで水をかける
少々の水の勢いでは吹き飛ばないので注意
手軽な方法だが、一時しのぎになってしまう場合が多く、根絶は難しい。
あまり水をやりすぎると今度は黒点病になる可能性もある。
2.バケツにドボン
鉢ごと水に沈め、ハダニが窒息するのを待つ。
水の中で軽く鉢をゆすってハダニを落とす。
葉水よりも効果はありそうだけど、卵への効果は望めないか。
水やりも同時にできるので便利だけど、
やはり根絶は難しい。
3.殺ダニ剤
まあこれが王道。
いろんなタイプの殺ダニ剤があるが、どれも水で薄めて散布する必要がある。
スプレーで手軽にできるダニ専用の薬剤はぼくが知るかぎりない。
スターマイト、マイトコーネ、ダニ太郎らは速効性や残効性もあり、
どのステージのハダニにも効くとのこと。
また上の3種は別系統の薬剤なのでローテーションしても抵抗性がつきにくい。
一方、マシン油、粘着くんなどの気門封鎖剤は抵抗性がつかない代わりに
複数回まんべんなく散布しないと根絶は難しい。
◆メジャーな殺虫剤はどうか?
1.オルトラン粒剤
オルトラン粒剤は葉を食べたり吸ったりする虫に効果がある。
ハダニも葉から養分を吸うので効果がありそうだが、
あくまでもオルトランは殺虫剤であって、殺ダニ剤ではない。
適用害虫にハダニとは書かれていない。
だからオルトランはハダニに効果がない・・・と書くつもりだったが、
よく調べてみると、
オルトランの有効成分アセフェートは、加水分解すると
メタミドホスという有機リン系の殺虫成分へと変化するらしく、
この成分はハダニにも効くとの説明もあった。
昨日紹介した「楽しい小品盆栽」の筆者三浦清恵津氏も
本の中でオルトランがハダニに有効と書かれている。
※力説してるというわけではない。さらっと書かれてある。
ただネット上では「効かない、効くわけない」という説が
優勢で、ぼくもどちらかというと効かない派。
ちょうど家にオルトランがあるので試してみてもいいかな。
でもどうやって効果を判断するかが難しい(いまはハダニがいないので)。
逆にいたらいたで、速効性のないオルトランでは効かないように見えるかも。
2.ベニカXファインスプレー
ベニカXファインスプレーにはハダニ類にも使用可能と書かれてある。
有効成分は
クロチアニジン:ネオニコチノイド系
フェンプロパトリン:ピレスロイド系
メパニピリム:ピリミジン系
の3つ。
この中でハダニに効くと思われるのは最初の2つ。
最後のメパニピリムは殺菌剤。カビ病やうどんこ病に効く成分だ。
※○○系とかよく出てきて難しい話だけど、ぼくも化学なんてほとんど知らない。
ただ調べるとよく出てくるので自然と覚えた。
同じ系統はローテーションに適さない。
これを知っとくだけでもなんかわかった気になれる。
ベニカXは今年の初夏から定期的にやってたのに全然ハダニに効かなかったという
自分の経験があるのでどうもダメっぽいという結論。
後述する抵抗性が原因なのかも。
3.園芸用キンチョールE
できればシュッとスプレーして終わりたいもの。
馴染みのあるキンチョールが効くといいなあと思って調べてみた。
こちらもハダニ類に使用できる園芸用のタイプだが微妙。
有効成分はピレスロイド系。
クモの殺虫剤にも同じような成分が含まれているのでハダニにも効果が期待できそうだが、これも抵抗性がつきやすいので効果が薄いかもしれない。
◆抵抗性、リサージェンス
ハダニは抵抗性がつきやすく、すぐに薬が効かなくなってしまうことが多い。
またハダニ専用の薬じゃないと、ハダニの天敵や他の虫たちを殺してしまい、
より一層ハダニが住みやすい環境になってしまう可能性もある。
これが原因でハダニが大量発生することをリサージェンスと言う。
ピレスロイド系、有機リン系は多くの殺虫剤に使用されているため、
ハダニが抵抗性を持ちやすい。もしくはすでに抵抗性を持っている場合がある。
それ以外の殺ダニ剤(気門封鎖系以外)も1年で使用する回数が決められている。
通常1年に1回とか2回程度。
オルトランやベニカX、キンチョールなどは全て抵抗性がつきやすい成分で、
しかも他の虫も同時にやっつけるタイプの薬なので、
抵抗性を持ったり、リサージェンスの危険が大きい。
◆結論
なんやかんや言ってもハダニ専用の薬剤を買う方が最終的に手間もかからないのではと思う。
手軽なスプレータイプで広範囲の虫に効く薬を試してみてもいいけど、
もしそれで効果がないようだったら、ムキになって2回3回とかけたりせず、
すぐに殺ダニ剤に変えた方がいい。
その際は、ピレスロイド系、有機リン系以外のものを選ぶようにする。
(だいたい○○系とパッケージや容器などに書いてある)
ダニ太郎は今年の夏に試して効果があったので一応おすすめ。
他の虫への悪影響も少ないようだ。
⇒ ダニ太郎をネットで買う
追伸
盆栽の仕立て方、な~んにもわかってないのに
こんなことばっか詳しくなってしまいました^^;