盆栽マンション日記

都内マンション在住のタカヒロです。苦戦しながらも楽しい盆栽ライフ5年目になりました。

盆栽園店主と初心者のやりとり

とある盆栽園に盆栽を始めたばかりとおぼしき客がいました。

その客と店主のやりとりが聞こえてきました。

その客は完成樹に近い6,800円の樹を手に持っていました。

 

店「う~ん、それもいいんだけどね~」
 「でもお兄さん、まだ始めたばかりだろう?」
 「じゃあ、こういう樹、これなんかいいよ~」
 「これ、カエデ、これをさあ、春にこうして少し寝かして植えるんだよ」

客「はあ・・」

店「このカエデは2,800円。安いだろ?」
 「こういうのをいじって楽しむんだよ~」

客「はあ・・」


と大体こんな感じのやりとりでした。


「ああ、これ。自分も経験あるな~」

ぼくはそう思いながらそのやりとりを聞いてました。

盆栽を始めて1年目の頃、

同じようなことを言われて納得できなかったのを覚えています。

今となっては店主の言ってることも十分理解できるのですが、

初心者(当時のぼくもそうです)はどうしてすぐ飾れる樹に目がいきますからね~

 

逆にちょっと先の将来図を見据えて買えるのは、

もう初心者じゃないですから。

 

それに親切心でこれを買った方がいいよってアドバイスしても

初心者はそれを素直に受け取ることはできないんですよ。

「お前にはその樹はまだ早いから、
この安いのをやっとけ! ボケ、カス!・・」

というふうに聞こえるんです。

 

ボケカスはさすがに大袈裟だろうと思われるかもしれませんが、

ホント、そういうふうに聞こえるんです。

だからアドバイスされた初心者は、

「いや、やっぱりこれがいいです。大切に育てるんでこれください。」

みたいなズレた返答をしてしまうのです。
(※店主は大切にしろって言ってるんじゃないのに)

 

初心者には完成樹しか見えない-

これはしょうがないことです。

 

とある盆栽グループで、年を取ったベテランさんが

実生ばっかりやるという話を聞いたことがありますが

これも同じことです。

 

経験を重ねるごとに、完成から遠いところから始めるんです。

初心者は、完成に近いところから。

これが普通だと思います。

 

だから、初心者が高い完成樹を買うことを

それがダメなことのように咎めるのはどうかと。

買う方に長い目を要求するんじゃなくて、

買われる方(アドバイスする方)に長い目を持ってもらいたいなあと。

心配しなくても大丈夫。

最初は完成樹を買っていた客が

しばらくすると2千円のいじれる樹、遊べる樹を買い始めますから。

 

と、ぼくはそんなことを考えながら、

冒頭のやりとりを聞いていたのでした。


ところで冒頭の話に登場したお客さんは結局どうしたと思います?

6,800円の完成樹を買ったのか、

店主に言われた2,800円の素材樹を買ったのか?

 


悩んだ挙句、彼の出した答えは6,800円の樹でした。


いや、もしかしたら店主の手前、悩んだふりをしたのかもしれません。

ぼくは心の中で、「それで正解、正解」とつぶやきました。

 


【おまけ】

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            国風で見たケヤキ

 

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