初展示を終えて
1年前、小品盆栽フェスティバルの展示を見たとき
ぼくは中学生が高級懐石を食べたような印象を受けました。
それから1年、今回は展示する側にまわったわけです。
ぼくの目標は
夜は懐石やってますが、昼は安く親子丼もやってます
-の昼の部を担当できればなあという思いでした。
飾れる樹が少なく、地板や飾も持っていない中
安くても雰囲気のある情景を描ければと工夫しました。
考えた末にヤフオクで安く購入した古箪笥を使うことにしました。
新人だから大目に見てもらえるという甘えもあったと思います。
山の上にある樹は小さく、里にある樹は大きく。
遠近感を出すことがねらいの1つでした。
構図は広重の東海道五十三次をヒントにしました。
新人にとっては決まり事を守るだけになってしまいがちな展示ですが、
そうなると本当の意味で楽しむことはできないと思ったので、
自分の楽しみを優先させました(本来なら順序が逆だと思うのですが)。
隠れた部分ではちゃんと遊びも取り入れました。
これはT屋さんのアイデアを元にぼくなりにアレンジ。
さて、去年は展示を見て本当に小さすぎるとびっくりしたわけですが、
今回はそういった驚きはほとんどありませんでした。
当然といえば当然なのでしょう。
ずっとこの1年、例会で小さい樹を見てきたわけですから^^;
ただ願わくは展示台の高さがもう20センチくらい高ければと思う点も。
小さい樹だと余計に腰をかがめるのが辛くなりますね。
ぼくのケヤキが会場の中で一番デカイかも・・・
搬入日前にそう思ってましたが、ぼくの樹よりデカイ樹を飾っている人もおられました。
基本的に、今回の展示会は内向き、関係者同士でわいわい楽しむための展示会です。
外に向けて何かを発信するという感じではありません。
あ、かと言って見に来てくれる人を無視してるわけではありませんよ。
もちろん見に来てくれる人のためにやってるわけですが、
その見に来てくれる人としてどんな人を想定しているかという点が
内向きだということです。
関係者や古くから付き合いのある馴染みの人なのか、
盆栽が好きでふらっと足を運んでくれた人なのか、
盆栽をはじめたばかりの初心者なのか・・・
内向きが悪いのか良いのか、わかりません。
例えばピアノの発表会だったり、アマチュアカメラマンの写真展なども
似たようなものでしょう。
多くの盆栽会の展示もそうだと思います。
その中では東京支部の展示は、ブログという媒体を通して
二次的に発信できているのが大きいです。それも複数の若手会員によって。
だからこそ、
「よくわからない世界だけど、楽しそうだから会に入ってみよかな」
と去年のぼくのような人が今後も増えていくんじゃないかと思います。
1年前ぼくが初めて東京支部の例会に見学に行ったとき、
「あの展示会は誰のためのものなのでしょうか?」
と聞きました。
そのとき居合わせたのがたびたびこのブログにも登場する先輩Aさん。
「あれはいってみれば自己満足の世界だよ、みんな趣味家で
好きでやってるわけで・・」
というような回答をもらい、ぼくは会に入ることを半ば決めたのです。
もし、あそこで耳障りの良い綺麗事が返ってきたら、
どうなっていたやらわかりません。
去年、展示会をみてなんだか難しそうだし敷居が高そうと思ったぼくが、
今年ここまで展示会を楽しめるとは自分でも思いませんでした。
そんなぼくに課せられたことは、
冒頭の喩えにあった「親子丼」の味を磨くということと、
ブログで展示会についての記事を書くこと。
記事を書くことは今ここで達成できました^^
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